英語と中国語の助動詞(能願動詞)の使い方を比較してみた

マゼラン
マゼラン

中国語の助動詞について知りたい。

使い方は英語と同じ良いですか?

中国語の代表的な助動詞(能願動詞)と使い方をまとめました。

「英語の助動詞」と「中国語の能願動詞」

助動詞とは、英語でいうとcan, must, will などです。
中国語では、能願動詞と呼ばれるものが助動詞にとても似た役割をします。

たとえば、「私は上海に行きたい」という簡単な文章の場合は、英語と中国語は語順が同じになります。

S(主語)助動詞V(動詞)O(目的語)
私はしたい行く上海に
上海。
Iwant togo toShanghai.
助動詞の位置

ただ、英語とは違う使い方もあります。

以下で代表的な中国語の助動詞(能願動詞)と具体的な使い方について解説します。

英語との使い方の違い・ポイントもまとめましたので、チェックしましょう。

したい:[英語]would like to/hope/want、[中国語]愿意/希望/想要/想/要

中国語でもっともよく使う能願動詞(助動詞)のひとつが「~したい」を表現する能願動詞です。

英語の願望を表す動詞 want や hope などはどれも動詞で、助動詞ではありません、
中国語では助動詞のような役割になります。

したい:[英語]would like to/hope/want の使い分け

英語でも「~したい」と表現するには、願望の程度によって様々な表現があります。
want, hope, would like to … などです。

would like to :ぜひ〜したい
hope :希望する。
want :〜したい

具体的な例文でニュアンスの違いを見てみましょう。

I would like to go to Shanghai.:ぜひとも私は上海に行きたい。
I hope to go to Shanghai.:私は上海に行くことを願います。
I want to go to Shanghai. :私は上海に行きたい。

したい:[中国語]愿意/希望/想要/想/要 の使い分け

中国語も同様に「~したい」程度によって、様々な表現があります。
代表的なものを紹介します。

愿意 :ぜひ〜したい(英語の “would like to” に近い)
希望 :希望する。願う。(英語の “hope” 、”wish” に近い)
想要 :〜したい(想より程度が強い)
想  :~したい。(するかどうかわからない)
要  :~しようと思う。(すでにしようと決めている)/ しなければならない。

具体的な例文でニュアンスの違いを見てみましょう。

我愿意去上海。:ぜひとも私は上海に行きたい。
我希望去上海。:私は上海に行くことを願います。
我想要去上海。:私は上海に行きたい。
我想去上海。 :私は上海に行きたい。
我要去上海。 :私は上海に行こうと思う。 / 私は上海に行く必要がある。

英語の「want」、中国語の「要」「想」は 動詞としても使用する

“要”, “想” は、動詞の場合、「~ほしい」という意味ではなくなる場合があるので注意が必要です。

要 欲しい、要る
想 恋しく思う

“要” が動詞の場合、”欲しい、要る” の意味になるのは、英語の “want” と同じですね。

例文で見てみましょう。

私は水が欲しい。
我要水。
I want water.

私は家を恋しく思う。
我想家。
I miss my home.

できる:[英語]can/be able to、[中国語]会/能/可以

英語も中国語も「できる」という言葉を表す方法はいくつかあります。

英語の「できる」を表す代表的な方法は「can」や「be able to」を使った表現です。
中国語の「できる」を表す代表的な方法は「会」「能」「可以」を使った表現です。

「できる」を表す方法は、英語と中国語で使い分けがかなり違います。
ごちゃまぜにならないよう、それぞれ、一つずつ整理して理解するようにしましょう。

できる:[英語]can/be able to の使い分け

まず「can」と「be able to」の基本用法について説明します。

can   【能力】【許可】【可能性】
     時制は、現在形(can)、過去形(could)のみ。
     他の助動詞と組み合わせれない。
be able to【能力】
     あらゆる時制で使える。
     他の助動詞と組み合わせることができる。

例文で使い方の違いを見てみましょう。

【能力】can, be able to
君はどのくらい泳げますか?
How far can you swim?
How far are you able to swim?

【許可】can
ここで泳げますか?(ここで泳いでもいいですか?)
Can we swim here?
×Are we able to swim here? 
⇒「(他の場所だと泳ぐことはできないけど)ここなら私たちは泳ぐことができるようになる」
というようなニュアンスに聞こえてしまう。

【過去時制】be able to, could
(以前)あなたは泳げた。
You were able to swim.
You could swim.
【未来時制】be able to
あなたは泳げるようになるでしょう。
You will be able to swim.
×You will can swim.
【他の助動詞との併用】be able to

あなたは英語を話せなければならない。
You must be able to speak English.
×You must can speak English.

できる:[中国語]会/能/可以 の使い分け

中国語では、「できる」を表現する能願動詞(助動詞)は3つ(会/能/可以)あります。
この3つの使い方は、詳細に解説すると、とても複雑です。
ここでは代表的な使い方だけ説明します。

会  【技術の習得】
能  【能力】
可以 【許可】【可能性】

例文で使い方の違いを見てみましょう。

会【技術の習得】
君は泳げますか?
你会游泳吗?
Can you swim?

能 【能力】
君はどのくらい泳げますか?
你能游多远?
How far can you swim?

可以 【許可】
ここで泳げますか?(ここで泳いでもいいですか?)
这里可以游泳吗?
Can we swim here?

英語と日本語では3つとも全て “できる / can” になってしまいます。
中国語では、それぞれを使い分ける必要があります。

たとえば、「ここで泳げますか?」と尋ねる場合、
「这里可以游泳吗?」が正しい言い方ですが、
「这里会游泳吗?」
という言い方をしてしまうと、「ここで泳ぐ能力を身につけますか?」というようなニュアンスになってしまいかねないのです。

とてもめんどくさいですね。
使う際は、気を付けるようにしましょう。

しなければならない:[英語]must/have to/should、[中国語]应该/该/必须/要

しなければならない:[英語]must/have to/should の使い分け

must  ①~しなければならない。(義務) / ②~のはずだ。~に違いない。
have to ~しなければならない。(客観的に見て必要)
should  ~すべき。(助言や提案)

「 must > have to > should」の順に語気が弱くなります。

must/have to/should の否定形

must/have to/should を否定形にした場合、意味合いが変わります。
特に「have to」の否定形は、「~する必要はない」という意味になるので、気を付けましょう。

must  must not(①~すべきではない。②~のはずがない。)
have to do not have to(~する必要はない)
should  should not(~すべきではない)

しなければならない:[中国語]应该/该/必须/要 の使い分け

中国語での、「しなければならない」の表現方法を見てみましょう。
中国語で「しなければならない」という意味を表す表現は、4つあります。

应该 ①(道理上)~しなければならない。 / ②~のはずだ。~に違いない。
该  ①(道理上)~しなければならない。 / ②~のはずだ。~に違いない。
必须 (理屈抜きで)~しなければならない。
要  (必须よりソフトな表現)~する必要がある。

「应该・该>必须>要」の順に語気が弱くなります。

“该” は、”应该” の省略形です。

“应该”, “该” は、英語の “must” と同じように「しなければならない」という意味と「~のはずだ。~に違いない」強い想定の意味の両方があります。

“该” は、”应该” は、ほぼ同じように使えますが、”该” だけの場合は「~のはずだ。~に違いない」の意味合いのが強いようです。

例文で見てみましょう。

●「しなければならない」の意味の場合
あなたは上海に行かなければならない。
你应该去上海。
You must go to Shanghai.

●「違いない」の意味の場合
あなたはお腹がすいているに違いない。
你应该饿了。
You must be hungry.

应该/该/必须/要 の否定形

应该/该/必须/要 は、否定形にする場合、注意が必要です。

まず、”应该/该” の場合、意味によって使う言葉が変わります。
「~しなければならない」の否定形は、”不应该”(~すべきではない)
「~はずだ」の否定形は、”不会”(~のはずがない)
になります。

“必须/要” の否定形は、”不用”(~する必要はない)になります。
“不必须/不要” にはならないので、注意しましょう。

应该 ①不应该(~すべきではない)
   ②不会(~のはずがない)
该  ①不应该(~すべきではない)
   ②不会(~のはずがない)
必须 不用(~する必要はない)
要  不用(~する必要はない)

英語と中国語の語順の違い

最後に、中国語では、必ずしも英語と同じようなご順位はならないことを説明します。

中国語は、助動詞(能願動詞)と動詞が離れる場合がある

中国語の基本文型の語順は英語と似ていますが、場所や時間などの修飾語の付く場所が異なります。

英語の場合、修飾語は文の最後に来ます。

中国語の場合は、場合によりますが、助動詞の後に来ます。
時間の修飾語は、主語の前に置かれる場合も多いです。

あなたはここで食事できます。
你可以在这里吃饭。
You can eat here.

あなたは8時に起きなければならない。
你应该8点起床。
You must get up at eight.

中国語は、「助動詞 + 名詞」 の場合がある

英語では絶対的に助動詞の後ろには動詞が来るルールです。
中国語では助動詞の後ろが動詞ではない場合があります。

「したい」の表現の紹介の箇所で「我要水」という表現を紹介しました。

●動詞として使う場合
私は水が要る。
我要水。
I want water.

●助動詞(能願動詞)として使う場合
私は水が飲みたい。
我要喝水。
I want to drink water.

中国語の”要” は、助動詞(能願動詞)ですが、英語の “want” は助動詞ではなく動詞です。

そのため、「私は水が飲みたい」のような表現の場合、”to 不定詞” の形になります。

厳密に言うと同じではないことが分かると思います。

“会” の場合はどうでしょうか。

●動詞として使う場合
私は中国語ができる。
我会汉语。
× I can Chinese. ⇒ 〇 I can speak Chinese.

●助動詞(能願動詞)として使う場合
私は中国語が話せる。
我会说中文。
I can speak Chinese.

英語では「私は中国語ができる」という表現を厳密に訳すことはできません。

助動詞(can)の後ろに動詞が必要になるため、必ず「話せる」「理解できる」のような言い方になってしまいます。

いかがでしたでしょうか。
中国語の助動詞(能願動詞)は、英語と似ている部分も多いですが、完全に同じではありません。

英語と中国語は違う言語、違う国の言葉なので、違っていて当然なのですが。

距離的に言うと英国(英語)と中国(中国語)はすごく離れています。
英国に比べると、日本の方が中国に近いのに、日本語と中国語の文法はまるで違います。

ちょっと不思議な気がしますね。

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